増益

増収増益の鉄人:8
家具業界の風雲児 ニトリ
社長 似鳥昭雄

第41号2005年8月

資金
現代事業承継秘話:会社の継ぎ方、継がせ方!
節税
最近の税務相談事例から:8
増益
増収増益の鉄人:8
家具業界の風雲児 ニトリ 社長 似鳥昭雄
増販
日々のコミュニケーションがお客様を獲得する!

17期連続増収増益のニトリ。家具・インテリアで急成長するニトリは住まいをトータルにコーディネートするホームファッションの思想と「品質・機能をともなった価格2分の1」のコンセプトで業界に革命をもたらしています。売上1300億、経常利益152億円(H17年2月期)。117店舗。東証一部。

似鳥昭雄

似鳥昭雄。1944年生まれ。61歳。北海学園大学卒。67年似鳥家具店創業。現在ニトリ社長。

ビジネスモデル

ニトリは商圏人口30万人に1店出店します。中・高級価格帯は大塚家具、低価格帯はニトリ。大塚が大都市の都心、準都心に巨艦店を出店するのに対しニトリは郊外のロードサイドにチェーン展開してきました。大塚家具が所得層の上位1〜2割をターゲットにするのに対し、ニトリは残りの8割をターゲットにしています。ニトリは低価格とコーディネート提案力を両輪に、ボリューム層と見られるニューファミリー中心に市場を開拓します。

ニトリが一番大切にしているのは、「欧米並みの住まいの豊かさを、世界の多くの人々に提供する」という企業理念です。似鳥は若かりし頃見たアメリカの豊かさを見て開眼したのです。

製販一体化SPA

ニトリの商品は70%が自社開発商品です。社長の似鳥は「ニトリを小売業だと思っている人が多いですが、実はわが社は企画製造業なのです。構成比はメーカーが5割、物流が2割、販売が3割。原材料の調達から製造・物流、販売まで一貫したマーチャンダイジングカがわが社の強み」と説明します。

そのため現在、人件費の安いベトナムとインドネシアに生産拠点があります。また、商品開発に携わるバイヤーは世界各国から最適な部材・商品を仕入れており、世界中を飛び回っています。

ニトリの開発商品は、商品の企画から、原材料選び、製造、物流、販売までをニトリがプロデュースし、使う人の立場に立って製品開発します。使い良さ、ここち良さを追求して、適正な品質や機能を、お手頃な価格で実現しています。たとえば健康を考えた低ホルマリン仕様や、手軽に洗濯できるノーアイロン仕様など・・・。色々です。

企画製造業

ニトリの製販一体化SPA
製造
50%
物流
20%
小売
30%
・ベトナム
・インドネシア
物流センター
8カ所
国内
117店舗

販売の秘密

ニトリの憲法は、(1)安さ、(2)適正な品質・機能、(3)トータルコーディネーションの3つです。この憲法は販売で実現されます。特に(1)(3)が特徴です。

つまり、ニトリの販売の秘密は、低価格とコーディーネート提案力です。

低価格戦略

ニトリの自社開発商品は、画期的な低価格であると同時に、「とても使い心地が良い」と、お客様が驚く商品特性を備えています。例えば,シングル掛け布団カバーの値段がが1990―2990円、枕カバーとクッションは999円といった具合。防縮加工など手間が省ける仕様になっており、いずれも百貨店が売る同機能の商品の半値以下です。大塚家具が高価格品、ヨーカドーが中価格品、ニトリは低価格品で勝負します。

戦略の違い

会社 価格帯 出店方法
ニトリ 低価格 郊外のロードサイド
ヨーカドー 中価格  
大塚家具 高価格 都市部の巨艦点

提案力:トータル・コーディネート

ニトリは1軒の家すべての空間をトータル・コーディネートするO.T.C.M.(ワンハウス・トータル・コーデョネーション・マーチャンダイジング)と言う商品構成思想に基づいて、商品開発を行っています。ベッド、ソファ、カーテンからインテリア小物や食器までカラーコーディネートされ一つの住空間のように売り場が作られています。店では住まいがまるごと見られるモデルルーム形式の展示もしています。

ニトリでは、色も基本カラーのローズ、ブルーなど21色の中から好きな色をお客様に選んでもらい、様々なアイテムを同じ色で、しかもお安くコーディネートします。

ニトリはファブリック(布)製品と日用品を中心とした「ホームファッション」と家具を中心にした「ホームファニチャー」をコーディネートしています。

住生活のすべてのシーンのトータル・コーディネート(O.T.C.M.)

【梶間のずばり一言】

ニトリの成長率と経常利益率には脱帽です。もう国内には敵は見あたりません。似鳥社長は、アメリカのチェーンストアー理論の渥美俊一さんに影響を受け多店舗展開しました。ニトリのSPAで低価格品を実現しニューファミリー層にコーディネート提案する似鳥ビジネスは時流にあうものです。

似鳥社長は、接客より商品力と言います。そして、似鳥の考えるマーチャンダイジング(商品政策)は、「お客様が得する仕組み」、つまり価値>価格と定義しています。そんな、似鳥社長の一番の悩みは「後継者」です。