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現代事業承継秘話:会社の継ぎ方、継がせ方!

アメリカの経営学者P.ドラッカーが会社の最終目的は、「会社の存続」と唱えてから大分年月が過ぎました。今月は会社の存続の内でも、最もキーになる後継者の問題です。

黒字の会社ですか

事業承継の今は、親父の後ろ姿だけでは息子は跡をなかなか取りません。子どもも選ぶのです。会社を継いでもらう必要条件としては「会社が儲かっていること」です。苦労して起こした会社でも、儲かっていない会社でしたら後継者は継ぎたいとは思いません。少なくとも1人当たりの経常利益が年100〜150万円以上ほしいところです。

誰を後継者にするか

国民生活金融公庫総合研究所では、50歳以上の経営者に対象に調査したところ、2社に1社は後継者が予定されていました。詳しく言うと、後継者の決定している会社は47%、未決定は35%、廃業予定は12%でした。特に、従業員1〜2人の小企業では75%に後継者がいません。経営者の高齢化がすすむ中で、小企業では特に後継者難があります。

では、後継者が「決定している」企業についてその予定者をみると、経営者の長男が70%で最も多く、長男以外の息子を合わせると、81%になります。逆に後継者が決定していない企業の割合は、息子がいない場合は62%であり、息子が3人以上いる場合は27%となっています。中小企業では、経営者に息子がいるかどうかが後継者の有無を大きく左右しています。もし、後継者がいなければ、親族、従業員、会社売却と言うことになります。

後継予定者と経営者との関係(後継者決定企業)

先代が元気なうちに

現社長は、元気なうちに、5年刻みの大きな自分の人生計画を立てておくことが必要です。この計画のなかで、後継者を何歳までに決める、自分が何歳で後継者教育が終わる、何歳で代を譲ると言うような、大きなオーナー社長の計画書を作っておくことが賢明です。ホントに紙一枚の計画書を作ることで、自分の考え方がはっきりと見えるようになります。

後継者に当たりをつける

それでは、次は、現社長にとり後継者をつくるためのコツの話をいたします。

@後継者に当たりをつけておく

後継者の判断は経営の手腕で決めます。赤いジュウタンの上を歩くように息子を育てては、ビジネスの世界では勝ち抜けません。手腕のある息子、親族、婿、いなければ従業員から後継者を見つけ当たりをつけておきます。

A手腕と経験をつけさせる

経営は「経験学」です。学校では学べません。子供には資産は残せますが、経営についての手腕を残せるかは子供の資質・経験・育て方などによります。大切、大切に養殖のように育てては会社の後継者はつとまりません。

後継者にしたい息子いれば、まず学校を出て外の空気をすわせる。自分の会社に戻ってきたら、各部署を色々と回らせ、社長交代の前2年間は現社長と共に行動させます。

もし、それでも後継者に手腕が足らなければ、営業、財務に優秀な補佐役を付ける「補佐役作戦」、一時的に従順な他人を登用するピンチヒッター作戦、システムで動くようにする「システム作戦」などの奥の手もあります。

事業承継を2つに分ける

私は仕事柄、多くの事業承継のパターンをみていますが、最近の子供への承継は「財産承継」と「事業承継」を分けて考えることがあります。

例えば、会社の株を3人の息子に分けてはなりません。後継者に株は寄せなくては安定した経営はできません。社長が会社で威張れるのは会社の株を持っているからです。この場合は、会社の株は分けずに全部を後継者に、不動産は他の子どもというようにします。

今の事業承継

経営計画書を共同で作る

現社長と後継者との年代のギャップをうめる最大の武器は「経営計画書」です。社長と後継者の意見が合わなくて迷惑を被るのは社員だけです。そこで、事業承継では、経営計画を共同で立てます。現社長は経営計画書に自分の遺伝子を込め後継者に自分のDNAを伝えます。そして、経営計画発表会で世代交代の発表をします。この発表会では銀行も呼びます。ここで先代は後継者に社長のお墨付きを与えるのです。

後継者に一言

後継者は、跡を継いだら、会長を「@立てる、A報告する、B報酬を確保する」ことを忘れてはなりません。こうした後継者の姿勢は今後とも、会社がまとまって発展していく条件になります。これを忘れは、会長と新社長の二つの頭の会社になってしまします。実務は社長に移っても先代を大切にしなくては、会社はなかなかうまくいきません。