増益

増収増益の鉄人:7
ファッションセンターしまむら
会長藤原秀次郎

第40号2005年7月

資金
中小企業でもできる株式公開の秘訣!
節税
最近の税務相談事例から:7
増益
増収増益の鉄人:7
ファッションセンターしまむら 会長藤原秀次郎
増販
日々のコミュニケーションがお客様を獲得する!

37年増収の奇跡。衣料品販売業のお手本と言えるローコスト・高回転経営の「しまむら」です。店舗はローコスト、経費率低く、高回転経営を続けています。単体で平成17年2月期、売上2979億、経常利益237億円。915店舗。従業員9752人。

1940年生まれ。64歳。慶應大学卒。70年しまむら入社。90〜2005年社長、現会長。

ビジネスモデル

しまむらの特徴は、ローコストの高回転経営です。そして、店内業務はしっかり、標準化され、多店舗化で37期連続の増収を実現しました。

商圏は5000世帯の1商圏として1000F(300坪)の店舗を約1億円で立ち上げ、3年で初期コストを回収します。ローコスト経営の模範生としてよくマスコミに登場します。粗利益率が29.5%でも経費率が19.5%で経常利益率10%を実現しようとしています。

しまむらでは、商品は割安商品の高回転経営で勝負します。少なく仕入れて短期間で売り切ります。1店舗に同じ、サイズ、デザイン、色の商品は1から2品程度しかありません。ですから街で同じ服の人とは会いません。下着、靴下のような定番商品は別にして、ファッション商品は約15000アイテム程度あり、これを年間10回入れ変えます。

品揃の仕組み

品揃えの特徴は、3ケ月先の先読み+本部集中管理です。しまむらは、セントラルバイイング制(本部一括仕入制)によって、効率的に商品を発注・管理します。しまむらでは、23の商品カテゴリーごとの各部門のバイヤーが商品の品揃計画から仕入までをトータルで担当します。同じ本部一括仕入制でもダイエーとは異なり、しまむらでは、後述するコントローラーが地域対応をしっかりと考えています。

もちろん、しまらむでは、バイヤーが日常的にパリ・NY・ロンドン・原宿・渋谷の定点観測を行い、「3ケ月先の先読み」に努めています。しまむらでは、このような定点観測+高いデータベースの利用により品揃え計画を立てるのです。

仕入の仕組み

しまむらの特徴は、完全買取・中国仕入にあります。商品計画に基づいて、バイヤーは商品の仕入れを行ないます。バイヤーは数十社のサプライヤーの商品企画のなかから、商品計画に沿った商品を選択する為に商談を重ねてゆきます。オーダーするアイテム毎にこうした商談を進め、決定したものから順次生産が開始されます。しまむら915店の全店単位での仕入れはスケールメリットを生かした商品調達となります。

しまむらもユニクロも中国生産品のコストをいかに引き下げるかという点では共通していますが、ユニクロは製造小売り(SPA)なのに対し、しまむらは完全買取で仕入れているのが特徴です。

商品陳列の仕組み

商品陳列の特徴は、完全マニュアル化、パート活用にあります。 チェーンストアの重要なオペレーションに標準化があります。しまむらでは全国どの店舗でも、同じレイアウト、同じ商品陳列、マニュアル活用による店内チェーンオペレーションを実現しています。コントローラーは、期間の売上データや時流に応じて、最適な商品陳列のレイアウトを作成し、売計画書として全店舗に配布しますが、パートさんでも動けるように各商品の店内陳列場所まで指示してあります。ただ、しまむらのパートさん達はトヨタのように改善活動に熱心です。

売り切る仕組み

売り切る特徴は、コントローラーの単品管理の実行にあります。コントローラーは売り切ることのスペシャリストです。全ての商品は店舗に完全にデータベース化され、これを基に売れ行きの予測や適正在庫が適時計算されてゆきます。本部のコントローラーはこうした情報に基づいて、店舗間の商品の移動や商品価格の変更を行い、商品を売り切るオペレーションを行なっています。値引きを含む価格変更率が業界平均10%越えるのに対し、しまむらでは5.2%で半分です。

堅調な成長を支えるビジネス基盤

物流

物流の特徴は、自社物流・夜間配送です。しまむらは全国に6センターを設け、各地域の店舗とは、夜間配送で、センター間は、隔日のシャトル便の運行を行っています。物流会社では夜間物流はダメだと言われましたが、テストしながら自社物流を実現させました。さらに、しまむらは中国で検品、値付けや店舗仕訳まで中国に移管する、一層のローコスト化を進めています。

【梶間のずばり一言】

藤原会長は、私も所属する大宮三田会の隠れたスターでした。隠れたと言うのは、一部上場会社の社長でも、会ではでしゃばらない感じがしたからです。さて、藤原会長の経営で特に感心したのは、出店場所は必ず自分で見て決定する。重要な意思決定は、自ら行い利益の最終責任は自分が取る。そこに社長の真実の姿がありました。しまむらのローコスト・高回転経営、多店舗展開の実行は、アメリカのチェーンストア理論の実行とトヨタの改善活動を見ているようでした。これからは新業態のアベイル、シャンブルなど期待しています。