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中小企業でもできる株式公開の秘訣!

中小企業でIPO(新規株式公開)を目指す社長が増えています。中小企業でも長期経営計画書の立案・実行で株式公開も夢ではありません。今月は中小企業社長のための株式公開情報です。株式公開は、創業者利益が実現する反面、厳しい外部株主・投資家が目の待っている現実もあります。

公開メリット・デメリット

社長にとって株式公開のメリットは、創業者の利益が実現し、資金面では必要な時期に低コストで直接金融による資金調達が可能になります。さらに、社会的な知名度がアップし、人材の確保が容易になり、商品やサービスの宣伝にもつながります。

デメリットは、社長からすると社長のワンマンなわがままが通らなくなります。半分、自分の会社を売却したような感じになります。具体的には、一般投資からお金を集めるので、事業内容・業績の開示が厳しくなり、株主総会開催などでチェックされます。社内では事務量が増えます。私が実際見ていると結構面倒です。

株式公開のメリット・デメリット

メリット デメリット
創業者が儲かる 社長のワガママができなくなる
資金調達が楽になる 業績開示で忙しい
社会的信用がつく 管理コストが増える

どんな市場があるか

さて、どこの市場に株式公開をめざすかです。従来は、地元の市場かJASDAQ(昔の店頭銘柄)でしたが、平成11年に東証「マザーズ」、平成12年に大証「ヘラクレス」等の新興企業向けの市場ができました。ちょっと下記の表にまとめておきます。

株式公開市場の概要

一般企業向け 新興市場向け
東京証券取引所 一部・二部 マザーズ
大阪証券取引所 一部・二部 ヘラクレス
JASDAQ JASDAQ市場(昔の店頭銘柄)

東証の一部、二部の一般企業向け市場の上場基準は、設立後の経過年数や利益基準などの基準が厳しく、いきなりこの市場に行くのは難しいです。通常狙うのは、東証マザーズかJASDAQです。

JASDAQ市場は、中小中堅ベンチャー企業向けの株式流通市場で、日本証券業協会が開設し、株式会社ジャスダックが運営している市場です。

東証マザーズでは、「新規性・流動性・透明性・上場の迅速性」の4つの特徴がある会社が公開します。マザーズへは設立後の期間が短い企業や赤字企業であっても公開できます。マザーズは潜在成長力があり、かつ早い時期に資金を直接調達したい企業をターゲットにしている株式市場です。

帝国データバンク(TDB)は2005年2月に第8回株式上場予定・希望企業動向調査を行いました。この調査では、株式上場を目指す市場について1265社が回答。複数回答の結果、JASDAQが551社で最も多く、次いで、東証マザーズが451社で選ばれました。東証3市場(1部、2部、マザーズ)合計は554社となり、JASDAQと人気を二分しました。

公開の基準

公開基準をクリアーする基準は、細かい事を抜きにして言うと、JASDAQ公開希望なら利益が数億でていることです。JASDAQの公開基準は連結の当期利益がプラスか、経常利益が5億円以上です。マザーズ市場なら利益基準はありませんが、公開後は成長性が期待できることが必須で、赤字続き見込みでは公開できません。いずれの市場も、資本政策、社内の管理体制、企業内容の開示等の課題は利益や成長性が見込めれば、株式公開は何とかなります。では、実際の最近の公開会社の公開直前決算の利益水準を見てみましょう。

公開直前の経常利益の分布(2004.1〜12公開実績)

経常利益(億円) JASDAQ マザーズ 東証2部
件数 割合 件数 割合 件数 割合
赤字 0 0% 6 11% 0 0%
0億円〜1億円未満 0 0% 13 23% 2 13%
1億円〜3億円未満 15 21% 22 39% 8 50%
3億円〜5億円未満 22 31% 6 11% 1 6%
5億円〜10億円未満 18 25% 7 13% 2 13%
10億円〜30億円未満 13 18% 2 4% 2 13%
30億円以上 3 4% 0 0% 1 6%
71 100% 56 100% 16 100%

業種・キーワードで見ると

JASZAQについては、公開会社の実績は他業種に多岐に渡っています。マザーズは成長性・新規性が重要視されるせいかIT企業が多く見られます。

先の帝国データバンクの調査では、株式上場実現のカギと考えられる「環境」、「技術革新(新技術)」、「暮らし(IT・制度変更・安全)」、「健康」、「高齢化」のキーワードが事業内容に該当するかとの調査で、最も多く該当したのは「IT」で180社、「技術革新(新技術)」が75社、「環境」が62社でした。

JASZAQ公開の業種分類(2004.1〜12実績)

経常利益(億円) 会社数 割合
情報・通信 3 4%
サービス 17 24%
小売 15 21%
卸売 10 14%
電気機器 6 8%
不動産 7 10%
その他(医薬品、化学…) 13 18%
71 100%

株式公開の秘訣

中小企業が株式公開をする場合は、長期経営計画書(5〜10年)を立て実行していきます。遠くに株式公開と言う目標の旗を立て、その実現のための計画を各年ごとに分けて実行していきます。

中小企業でも株式公開は夢ではありません。なぜなら事業発展のためにはコツがあり、小売りであれば多店舗展開やフランチャイズ制の採用で急速に規模が拡大します。卸であれば、ボランタリーチェーン化の推進で会社は急成長します。中小企業のメーカでは、販売ルート(代理店・問屋等)を利用すると売上が急速に増大していきます。そして、株式公開の2年前から公認会計士や監査法人と、約1年前から証券会社を手と組み株式公開準備をしていきます。