節税

最近の税務相談事例から:5

貸倒れと債務免除

【 Q 自動車整備会社社長からの質問 】

このほど、一部取引先の債務の免除をして貸倒処理したいと思いますが、税務上の留意点を教えて下さい。

【 A 】

相手会社が「相当期間の債務超過」であって、さらに「書面による債務免除」を行えば債務免除が認められます。ここで「相当期間」は一般的に「3年から5年」を言います。

「書面による債務免除」は、原則として書面で行うことが必要です。しかし、公正証書などの公証力のあるものまでは要求していないため、一般的には内容証明郵便を利用します。「事業年度の末日」までに送付する必要があり、債権放棄通知書を郵便局の「内容証明郵便」で送付します。

書面による「債務免除」行う場合には次のことに留意する必要があります。

  1. 債務免除の通知は貸倒損失を計上しようとする事業年度の末日までに行わなければなりません。決算日後、申告期日までに債務免除の通知をしたとしても翌事業年度の貸倒損失となります。
  2. 内容証明郵便は配達証明で郵送します。
  3. 債務免除を行ったとしても、債務者の資産状況・支払能力などに余裕がある場合には債務者に対する贈与があったものとして、免除額が寄付金の扱いとなる可能性があります。

以下の債権放棄通知(債務免除通知)の例文を紹介いたします。ご参考にして下さい。

なお、社長が業績不振会社にお金を貸し付けている場合なども、税務上の繰越欠損額が残っているなら、思い切ってその繰越欠損金額の範囲内で債務免除することがあります。

お酒の税金

アサヒビールは4月20日、税率が低くビール・発泡酒より安い「第三のビール」と呼ばれるビール風アルコール飲料「新生」を発売しました。成長を続ける「第三」の市場で大手四社が出そろうことになり、各社のシェア争いが一段と厳しくなりそうです。ただ四社が同市場で販売攻勢を強めることで、メーカーと卸が年初に導入した新取引制度や酒税の枠組みが根底から揺らぐ可能性もあります。

第三のビールが安いのはビールや発泡酒より税率が低いためです。財務省は「同種同等」の原則のもと、ビールと第三のビールの税率の格差を縮小する方向で検討中です。

酒税とはお酒にかかる税金です。工場出荷と輸入の段階で容量に一定の税率をかけて算出しメーカーや輸入業者が国に納めます。販売価格に上乗せされ最終的には消費者が負担することになります。2004年度は酒税収入が国税全体の約4%を占める見込みです。

税率は原材料や製法によって十種類に分かれています。最も高いのがビールで、税率は1リットル当たり222円。350o缶ビールの販売価格(200程度)の約1/3が税金に当たる計算です。酒類による違いは大きく、ワインの税率はビールの約1/7に過ぎません。

税率の高さに不満を持っていたビール業界で、風穴を開けたのが1994年のサントリーです。麦芽の使用量を抑えたためビールより税率が低くなる発泡酒を開発し、他社も追随しました。ところが2003年に国税当局が発泡酒の税率を引き上げ、一時の勢いはなくなりました。

第三のビール
アサヒの新生

「第三のビール」は新たな低価格商品としてサッポロビールが昨年2月に全国で発売しました。麦芽とは異なる原料を使うビール風飲料の扱いで適用税率を下げ、350o缶で販売価格は120円程度です。

【 参考資料 】

酒税の見直し―日本経済新聞2005/03/20
―酒類ごとに格差、揺らぐ課税根拠(ニュース入門)