節税

最近の税務相談事例から(4)!

役員報酬と役員賞与

【Q】食品会社社長からの質問

同じ役員に支払う給与でも役員報酬と役員賞与では税務の取扱が違うと言うのですがどういうことですか?

【A】会社の税金計算の世界では、役員報酬は損金となりますが、役員賞与は損金になりません。同じ人に対する支払いでも役員賞与と認定されては節税にはなりません。

役員に対する給与

定期の給与 役員報酬 原則損金
賞与 役員賞与 全額損金不算入

【 解説 】

役員に対する給与の種類

取締役や監査役など役員に対する給与には、役員報酬、役員賞与があります。このうち、役員報酬とは過大な部分を除き損金になりますが、役員賞与については損金算入が認められていません。

但し、使用人兼務役員の使用人部分の賞与については損金算入が認められています。

そこで、役員報酬と役員賞与の違いをしっかり知ることが節税につながります。

役員報酬と役員賞与の区別

役員報酬は会社の利益の有無に関係なく、その業務執行の対価として支払われるものであり、損金性がありますが、役員賞与は、役員が企業の利益を上げた功労に報いるために支払われるものであり、利益の分配的な要素が強いため損金性がないとされます。

税務上、役員報酬と役員賞与との区分は、それが定期の給与か臨時的な給与かで判定されます。これは、役員に対する給与が、業務執行の対価であるか利益処分であるかを判定するのは容易でないため、形式的にその給与が定期のものであるかどうかを判定基準として用いました。

つまり役員報酬と認定されるためには、あらかじめ定められた支給基準によって、毎日、毎週、毎月のように、月以下の期間を単位として規則的に反復又は継続して支給される定期の給与とすることが必要です。

この原則に反して、給与でも通常の昇給等以外に、特定の月だけ増額支給された場合は、その給与のうち各月に支給される額を超える部分は賞与として取り扱われます。

つまり、毎月100万円報酬をもらっていた社長が、7月に突然300万円の報酬をもらうと、300万円−毎月の100万円=200万円は役員賞与と認定され損金になりません。

役員賞与とされないために

役員賞与と認定されないためのコツです。

【 1 】役員報酬は増額したい場合は臨時株主総会を開いて役員報酬を増額します

期の途中で役員報酬を増額したい場合は次の条件を満たせば、たとえ事業年度の途中であっても、役員報酬の増額が認められることになっています。

  • 臨時株主総会等の決議による役員報酬の増額であること。
  • 増額後の役員報酬が定款等の役員報酬支給限度額の枠内であること。
  • 役員報酬の増額によって過大役員報酬とならないこと。
  • 増額後の役員報酬の適用は株主総会等の決議があった日以降に支給されるものに限ること。

【 2 】非常勤役員の場合

非常勤役員に対する報酬は、月単位でなくても、毎年所定の時期に定額を支給するものであれば、役員賞与とはなりません。

しかし、利益に一定割合をかけて算定されるものについては、役員賞与とみなされます。

【 3 】非常勤役員の報酬は年払い可

但し、一度年払いにしたら継続します。

【 4 】使用人兼務役員なら損金算入

使用人兼務役員とは、「会社の役員で、部長や課長といった使用人としての職制上の地位があり、その職務に従事している者」となっています。

使用人兼務役員として税務上認めてもらうには、以下の3要件を満たす必要があります。

  • 平の取締役であること。つまり、代表取締役や専務、常務、副社長、監査役は該当しません。
  • 部長、課長、その他法人の使用人としての職制上の地位を有していること。
  • 常時使用人としての職務に、実際従事すること。
    通常は、取締役工場長や取締役営業部長等です。