資金

鬼より怖い「連帯保証」が変わります!

「鬼より怖い連帯保証」の制度が改正されました。施行は本年4月頃の予定です。今月は社長に必要な民法改正の速報です。

制度改正の背景

「連帯保証人」が、無制限に借金の肩代わりを強要される悲劇をなくそうと、「包括根保証」の廃止を盛り込んだ民法の一部改正案が、平成16年11月の衆院本会議で可決され、成立しました。包括根保証は、保証人に課せられる責任が大きすぎて、多くの夜逃げや破産、自殺などにつながっていました。ようやく制度が改められるのも中小零細企業経営者の「保証人を保護するための法律整備が必要だ」という声が背景にあります。

借金などの保証人に関するトラブルは統計でも急増しています。 国民生活センターのまとめによると、2002年度中に同センターと各地の消費生活センターに寄せられた保証人に関するトラブルの相談件数は前年度比55%増の9143件。1990年代半ばから右肩上がりに増え続けています。

連帯保証とは何か

では、まず保証の意味を確認します。「保証とは、そもそも金融機関などの貸し手が貸付金を確実に回収するため、お金を借りた債務者以外にも返済の責任を肩代わりさせる仕組み」です。民法には「債務者が債務を返済できなくなれば、保証人がその責任を負う」との規定があります。

保証には、大きく分けて通常の保証人と連帯保証人の2つの種類があります。ここで特に注意すべきなのが連帯保証人です。通常の保証人に責任が及ぶのは、債務者が夜逃げなどして回収が不能になったり、自己破産などで免責されたケースです。しかし連帯保証人の場合、貸し手が「保証人の方が取り立てやすい」と判断すれば、債務者に請求せず、いきなり保証人に返済を迫ることができます。

連帯保証には、現在の特定の借金だけを対象にしたものと、将来に発生する債務も一括した「根保証」の二種類があります。さらに、根保証の中には、その限度額や期間を定める「限定根保証」と、限度額や期間を定めない「包括根保証」があります。

保証の方法

普通保証 借入の日時や金額を決め、債務の範囲を限定する保証方法(特定債務保証)
一般的な連帯保証 現在の特定の借金だけを対象にした連帯保証
限定根保証 企業と金融機関の継続的な取引から生じる不特定の債務を一定の範囲内で保証する
包括根保証 保証の上限や期限を設定しない保証方法で、この場合融資を増額したり、期間を延長したりする場合の保証契約を再度締結する必要がありません。

改正の内容

今回、廃止が決まった「包括根保証」は、連帯保証の中でも、最も厳しい条件のものです。

中小零細企業が金融機関から融資を受ける場合、経営者が包括根保証を求められることが多くありました。これは経営者保証と呼ばれることもありました。融資にかかわる経営者の個人保証です。この場合、会社で借入金の返済ができなくなると、経営者は数千万〜億単位の借金を背負うことになり、時として、さまざまな悲劇を生むことがありました。こうした「青天井」の責務をなくしたのが、今回の改正の最大のポイントです。改正のポイントは以下の図表の通りです。

また、包括根保証ではなくても、債務者が親族や友人に頼み込んで、保証人になってもらう「第三者保証」も、多くのトラブルを生んでいる現実がありました。例えば 「債務者は、融資をどうしても受けようと、親類や知人に情でお願いして保証人になってもらう。その際、返済できなくなる可能性のことは言わず、形だけだからとお願いする。債務者は返済が滞りそうになっても、そのことを保証人に隠し通す」そして第三者が肩代わりするケースです。何人も保証については、保証も意味をリスクとしっかり理解することが必要です。そして、社長は保証人を最後まで守ることが正しい社長の姿勢と言えます。

改正内容のポイント

ポイント1:根保証契約は、書面で行わなければ無効です。
【改正前】
口頭での約束も有効。
【改正後】
口頭での約束は無効。書面での契約が必要。
ポイント2:保証人が保証する金額には、必ず上限を定めなければなりません。
【改正前】
保証人が、責務者の借り入れをいくらでも保証する契約も有効。
【改正後】
保証する金額の上限を契約で定めることが必要。保証人はその範囲内で保証。
ポイント3:保証人が保証する責務は、一定の期間内に発生したものに限られることになります。
【改正前】
保証人が、無期限で保証する契約も有効。
【改正後】
保証人は、契約で定められた5年以内の期間(定めが無いときは3年間)に発生した責務のみ保証。