増益

増収増益の鉄人(2)
リサイクルで生活革命 ブックオフ
「坂本孝」

第35号2005年2月

資金
社長のための「ペイオフ対策」の秘訣!
節税
所得税を取り戻すチェックリスト
増益
増収増益の鉄人(2)
リサイクルで生活革命 ブックオフ
「坂本孝」
増販
商売最悪期!2月対策を考える! 

30カ国以上で開催する起業家表彰制度「アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー」(略称EOY)の日本代表にブックオフコーポレーションの坂本孝社長(64歳)が選ばれました。従来の古本業と違い、書籍購入の際に目利きを必要とせず、経験の浅い店員でも買い取りできる仕組みを構築したことなどが評価されました。坂本社長は5月にモナコで開かれる世界大会に出席します。2004年東証2部上場。今月は閉鎖的な書籍市場での発展の秘訣を探ろう。

成功のビジネスモデル

古本業のイメージを「ブックオフコーポレーション」の坂本孝社長は一新させました。ブックオフが本を買い取る基準は、本がきれいか新しいかだけ。定価の1割までで買い、半額程度で売る。こうした明快なシステムが消費者に受けています。 ブックオフの仕組みは、神奈川県の相模原に第1号店の運営を試行錯誤していくうちに完成しました。この店に古本ビジネスの成功モデルの原点があります。主な特徴は、以下の5点です。

1991年に50歳にてブックオフコーポレーションを設立。中古本で国内シェア60%。 780店舗売上高344億円、経常利益が19億円(2004/3見込み)

1:明快な仕入方法

まず、ブックオフでは買取り時や販売時の価格の設定を簡単にルール化し、アルバイトのような経験のない人間でもできるようにしました。

同社の買取り価格の査定基準は、本の内容には関係なく、「本がきれいか、きたないか」のみで判断されます。本のランクは特A、A、B、C、Dの5段階。新品同様の特Aであれば定価の1割、クリーニングをしても落ちないような汚れがある場合はCで10円、カバーがなかったり、書き込みがあったりする場合にはDで0円です。気になる古本の価値ですが、実際には、プレミアム本は全体からするとごく一部でしかなくリサイクルビジネスにはあまり影響しません。

2:本のリフレッシュ

古本を研磨と洗浄でリフレッシュします。これは、坂本社長が、中古ピアノ販売を手がけているときに得た教訓で、商品をきれいに見せることは、小売業の基本です。しかし、従来型の古書店では、古いことが価値になる商品を扱うことも多いため、研磨したり洗浄したりするという概念は乏しかったのです。ブックオフでは、マニアではなく、一般の消費者をターゲットにしているため、本をリフレッシュさせていいます。

3:明確な売価設定

ブックオフでは、定価の1割を目安に買取り、半額程度で売ります。しかし、3ヶ月以上売れ残っている商品や、6冊目以降の在庫は105円で販売します。これは、情報システムへの大規模な投資をすることなく、人の手のみで適切な在庫を保つために考えられた手法でもあります。

4:広く明るい店内

次に店づくり。私たちがイメージする古本屋とは違います。まず店内が新刊本を売る本屋のように明るくきれいで入りやすい。本もきれいで、ジャンル別に整理整頓されています。暗くて、埃っぽく、入りづらい雰囲気のある昔の古本屋とは感じが違います。「目指すのは神田の古本屋ではなく、新刊書店に99%近づけて半値で売る店」を目指している坂本社長の戦略です。

5:元気アルバイト育成

ブックオフに入ると店員が元気に「こんにちは、いらっしゃいませ」と声をかけます。」店員が明るくて活気づいています。

ブックオフの店員教育では、「徹底したマニュアル」と「キャリアパス」が特徴です。特に店内ではアルバイトが大活躍します。大型店の原宿店では店員82人中、正社員は5人です。では、ここではキャリアパスの説明をしましょう。

ブックオフでは、パート・アルバイトの時給体系として、「キャリアパスプラン」というシステムを導入しています。基本作業を覚えるところから、店長代行ができるマネジャーまで、ランクを七つに分けています。要するに、この階段を一段一段上っていく事がアルバイトの魅力となっています。しかも、客の目の前で店員教育する、いわゆるOJTを行います。ブックオフに入ると2〜3人の店員が本を整理しながら、「いらっしゃいませ」「いらっしゃいませ」と山びこのように声だしの練習をしています。

成長の秘密

1:FC展開 

FC展開は、成功店舗ができれば、かなりの部分、マニュアル化して多店舗展開できます。ブックオフでは、起業当初からFC展開を行っています。これは多店舗展開によって、先行者利益を確保するためであり、自己資金だけではどうしても限界があったからです。FC展開では、直営店とFC店とをバランスをとり増やしておくことが店舗経営発展のコツとなります。

2:他のリサイクル商品への進出

本だけなく、最近の大型店では広くリサイク品を扱うようになりました。CD、子供用品(子供服・ベビーカー等)、洋服(コート。セーターなど)、スポーツ用品(グローブ・バットなど)、電気製品(オーディオ・ミニコンポなど)です。商売の方法は本の場合と原則同じ。衣類などは素材を考慮して最終価格が決まります。他へのリサイクル商品への進出は本のマーケットは1000店で国内シェアが飽和状態になるためです。

【 梶間のズバリ一言! 】

 店舗販売ではモデル店づくりに成功するとドミナント戦略で多店舗展開できます。ブックオフでは、FC展開でこれを実現しました。そして今は、他のリサイクル商品への進出と社長は常に「未来売上」を追っていきます!