資金

銀行マンの本音激白
中小企業の決算書?!

皆さん、金融機関があなたの会社の決算書をどう見ているか気にならないだろうか。今日は、金融機関から秘かに聞いてしまった本音と中小企業社長の対策を説明しましょう。

中小企業の決算書の問題点

中小企業の決算では、減価償却費を計上しなかったり、在庫を水増ししたりして利益を捻出することがある。これら中小企業の目的は、融資を受けたり、取引先の与信を保つためだ。しかし、この事実を金融機関はお見通しなのでしょうか?

先日、私はある金融機関の団体の方から入手した中小企業の決算書の問題点は以下の通りだった。これは会員金融機関へのアンケート結果で銀行マンの生の声だ。

  1. 減価償却費の連続・不連続
  2. 棚卸資産の明細が不明
  3. 仮払金の内容が不明
  4. 未払金で不自然な増減
  5. 売上高の作為的計上
  6. 役員報酬の増減による利益操作
  7. 長・短借入金の入り繰り
  8. 引当金の計上不足
  9. 決算期によって勘定科目の計上方法が異なる
  10. 何よりも社長が財務内容を理解していない

これをみると、やはり中小企業が経理操作をしても金融機関はお見通しだということが分かる。この中でも、「10 何よりも社長が財務内容を理解していない」と痛いところをついている。

決算書の着眼点

では、次に決算書の着眼点を聞いてみた。金融機関が決算書を分析する目的は、実質自己資本をつかんで取引先を評価し、返済能力の判断をすることだが、金融機関のチェック項目は以下の通りだった。

  1. 不良資産の有無
  2. 実質自己資本
  3. 利益・キャッシュフローの水準
  4. 売掛金・在庫の粉飾の有無
  5. 貸付金・仮払金の回収の可能性
  6. 固定資産・投資勘定の評価
  7. 経常収支の水準・傾向値
  8. 借入金の回転期間
  9. 借入金内訳(他行動向)
  10. 資産・負債の連続性・増減
  11. その他の流動資産の中身
  12. 恒常的な売上とスポット売上の区別

やはり、金融機関は、融資先の決算操作はお見通しで、社長が自社の財務内容を理解しているかよくみている。

社長へのすすめ

まず、月次決算を早くしましょう。経理担当者は頭が税務基準でできているので正確な月次決算をしようとしますが、これは間違いです。月次決算は正確性より迅速性が命です。まず、速報版の月次決算でも良いので、翌月の5日ぐらいには出すようにします。今は、中小企業より大企業の決算の方が何倍も早く、年次決算なら決算後7日程度で出来てきます。

次に、社長は決算書を研究しましょう。分からなければ、恥は一時、経理担当者に説明させます。顧問税理士さんに質問します。

毎月の試算表は、損益計算書と貸借対照表からなっています。わりと社長の皆さんは、損益計算書の方は理解が早いのですが貸借対照表は苦手です。

貸借対照表が分からなければ、方眼紙に資産と負債と資本の数字を面積で落とすと自社の財務状況が一瞬にしてわかります。もし不良資産があれば、B/S面積グラフを黒く塗りつぶします。これをすると心臓がドキッとする社長が多くいます。

B/S面積グラフの例
貸借対照表B/S

現貯金 100 買掛債務 600
売掛債権 200
在庫 500
借入金 2,600
仮払金 400
固定資産
 建物 1000
 機械 100
 土地 1200
資本 300
3,500 3,500

たいだいの自社の財務内容がわかったら、後は、月商を基準に預金、売掛金、在庫の目安を決めます。例えば、売掛金は月商の3ケ月分、在庫は5ケ月分が目安という具合です。これを金額基準で決めてもかまいません。例えば、預金は期末に100万円、売掛金は300万円、在庫は500万円という具合です。このように、預金、売掛金、在庫のビジネスに関わる主要な勘定について自分のモノサシを持つと試算表はすぐ読めるようになります。

貸借対照表の見方

月商
100
現金 100 1ヶ月分
売掛金 300 3ヶ月分
在庫 500 5ヶ月分

それと、毎月、資金繰り表を作ります。試算表を合わせて読み込みます。会社の決算書では、「社長が自社の財務内容を理解していない」ことが一番の致命傷なのです。