増益

セブンに学ぶ「商売の基本原則!」

イトーヨーカ堂、セブン・イレブン会長の鈴木敏文氏著「商売の原点」(講談社H15.10)から繁盛店づくりを研究します!

本書は創業間もない頃からセブン・イレブン本部で毎週1回行われる「FC会議」の議事録1300回以上分をまとめたものです。いわば本書は内部資料です。セブン・イレブンとイトーヨーカ堂内部の極めて実務的な話が殆どで、それだけに説得力があります。今月はそのヨーカ堂、セブン・イレブンの経営エッセンスを2つに凝縮して解説します。明日の増収増益にお役立て下さい!

商売の4原則

ヨーカ堂、セブン・イレブンの商売の基本原則は、「品揃え」「鮮度管理」「フレンドリーサービス」「クリンリネス(清潔)」の4つです。きわめてシンプルな原則ですが、各店舗や本部がこれを徹底し、継続していくことが大切です。そして、常にお客様第一の視点で店作りを考えていきます。

  • 品揃え(単品管理)
  • 鮮度管理
  • フレンドリーサービス
  • クリンリネス(清潔)

例えばフレンドリーサービス、つまり感じの良い接客ができていないのにお客様に来てほしいと思っても、それはナンセンスです。また味や鮮度が悪い食べものを並べておいて、うちの店に来てほしいと願っても、これまたナンセンスです。お客様が欲しいと思った商品を品切れにさせておいて、どうぞ買いに来て下さったと言うのはごう慢というものです。

つまり私たちは、街中に1軒しかない店で商売をしているわけではありません。今は他店との激しい競争の時代になっています。そうした経営環境の中で小売業である私たちがやるべきことは、まず基本に戻り、4原則を徹底させること、そのことの積み重ねをしていく事しかないでしょう。

しかし1週間2週間、あるいは1カ月2カ月間フレンドリーサービスをしたり、クリンリネスを続けたから言って、すぐに売上がアップするかと言うとそう言うモノでもありません。けれども、基本4原則を徹底し継続することが、店の体力増強につながります。

自分が行きたくなる店というのは、欲しい商品がきちんと品揃えされ、適正な価格で売られていて、商品の鮮度も良く、クリンリネスも行き届いていて、フレンドリーサービスのレベルが高い店ではないでしょうか。

売上ダウンは競合と無関係

競合店に対して目玉商品を作って売り出し、お客様を誘引するというのは、根本的な対策にはなりません。私たちの競合対策は、その手の安売り対策ではなく、日ごろからの商品の品ぞろえであり鮮度管理です。さらにはクリンリネスであり、フレンドリーサービスの追求であると考えています。競合対策というと、安くという方向に走りがちなのは商売の基本原則が出てきていないからです。

品揃え

小売業では、晴れている時と雨が降っている時、あるいは湿度が低い時と蒸し暑い時で、品揃えが違います。もっと言えば朝方と夕方では品揃えが違うのです。例えば、同じ夏でもおでんや冷やし中華はその日の気温によって、売れ行きが大きく違ってくるのです。

単品管理

昔は在庫が多く、何でも揃っている店が良い店とされました。しかし実際にはそういう店は利益の出ない店でした。売れていない商品が何か、正確に把握できなければ、売れない商品をいつまでも抱えることになります。そこで品揃えでは単品管理が必要になるのです。

単品管理では、品揃えは売れ筋をどんどん投入していけば良いというようなものではありません。まず死に筋商品を除くことが肝心です。

おにぎり、サンドイッチの弁当類で廃棄が多いということは、売る機会損失が多いということです。機会損失も、廃棄ロスも単品管理がしっかりと出来ていないことに起因しています。これは取りも直さずお客様の立場に立って物事を見ていないことが原因です。

仮説→(実行)→検証

例えば「ざるそば」は夏の商品だと限定してしまったらとんでもない間違いです。正月にざるそばを品揃えしたとしても確実に売れます。冬だってアイスクリームは相当売れるのです。

こうした現実からしても、昔のような発想のままで、季節を考えるのは間違いだとわかります。何が言いたいかと言うと、お客様が今何を必要としているかと言う仮説を立てて、試してやってみることを「仮説・検証」と言います。これは重要です。

さまざまな角度から情報を入手したうえでお客様に眠っているニーズを掘り起こすために、「仮説・検証」は非常に大切なことなのです。

実は、セブン・イレブンでおでんを最初に売ったのは1984年でした。当時、おでんのような商品は夏には売れないという常識がありました。しかし、仮説を立て、夏であっても体感的に肌寒く感じるような日には売れると仮説を立て販売しました。そして結果を検証してみると売れていたのです。

商売は、お客様の生活シーンを想像し、品揃えの仮説を立て、実行、検証していくものなのです。

※参考
「商売の原点」(講談社) 鈴木敏文(セブン・イレブン、ヨーカ堂会長)