増益

平成16年度 儲けの法則(7)

中小企業の正しいワンマン経営の秘訣!

第28号2004年7月

資金
年一で制度融資をチェックする!
節税
個人ゴルフ会員権の譲渡損の危機!
増益
中小企業の正しいワンマン経営の秘訣!
増販
経営計画は、売上増計画から

中小企業は99%社長次第

大企業ではありません。中小企業です。中小企業の業績は99%社長で決まります。ここで言う中小企業は大きくて従業員数で100人程度までの会社を言います。ただ、上場会社でないかぎりだいだいどこの会社も同じです。

そもそも、中小企業というものは、社内の経営管理が少々まずくても本業の商売の力が強く、お客様の信用を勝ち取っていれば、自然に業績は伸び安定します。逆にいくら経営管理が立派でも肝心の商売が下手だったら話にもなりません。会社が小さければ小さいほど、会社は社長の商売上手・下手で決まるのです。

今まで、私は成長する中小企業の中で多くのワンマン経営者をみてきました。中小企業であるかぎり、ワンマン経営の方が儲かります。なぜなのか。今月は、中小企業の「正しいワンマン経営」のあり方を考えてみます。

正しいワンマン経営とは

ワンマン経営は時折、悪く言われます。例えば、昨年新潟中央銀行が破綻しました。新聞では、破綻に追い込んだ元頭取の大森氏を「ワンマン経営」と批判しました。元頭取は「人の意見は聞かない」「反対者は左遷」「側近はイエスマンばかり」という状態でワンマン経営が破綻の原因であったと報道しました。この新聞だけ読むと、ワンマン経営は悪いように思えますが、これは大企業の話です。中小企業には悪い会社、良い会社はありません。あるのは、良い社長と悪い社長だけです。そして、中小企業はワンマン経営ほど、業績が良いのです。

では私がみてきた正しいワンマン経営とは!

まず、会社の存在価値を考えて下さい。会社はお客様の要求を満たすために存在しています。だから、中小企業の社長の日常の定位置は、社長室ではなく、受注型企業であればお客様訪問、見込み型企業であれば、客まわり・店まわりです。そして、社長は絶えず変転する市場と顧客の要求の変化をつかまなければなりません。しかし、お客様の要求を満たすことは面倒くさくコストがかかるモノです。だから、社長がお客様の希望を社員の希望より優先させる限りワンマン経営になるのです。

ワンマン経営と言っても、顧客や市場の情報を把握していない、だれの意見も聞かない、自分の利益だけを考える「悪いワンマン社長」であってはなりません。「正しいワンマン社長」とは、顧客や市場、社員の情報に真摯に耳を傾けながらも、会社の存続と発展のために、社会と社員を幸せにするために自分の責任を持って会社のあるべき状態、行くべき方向を決定する社長です。社長が自らの意志と決意で経営計画を立て実現するのです。

ワンマン経営の考え方については一倉定先生の考えがすっきりしています。そこでは

正しいワンマン経営とは

  • 社長は、自らの経営理念にもとづく、我が社の「未来像」をもち
    (→未来像が分からなければ、まず1年後の姿でOKです。決定が社長の仕事。)
  • その未来像を実現するための目標と方針を、自らの意志と責任において決定し、これを経営計画書に明文化する
    (→計画は総務・経理が作るものではありません)
  • 経営計画を社員によくよく説明して協力を求める
    (→経営計画発表会、朝礼、日常いつでも)
  • 経営計画の最も重要な施策は自ら取り組み、他は任せる

経営計画書による経営

社長の未来像を具体的な行動指針として具体化したものが経営計画です。事業の経営は、いろいろな活動が複雑に有機的に結び付けられ、弾力的に運用されてはじめてうまくいきます。

中小企業の限られた人・モノ・金で、どうやって売上げをあげ、資金繰りを乗り切るか!これを実際に行うのは生やさしいことではありません。その難しさは個々の行動については言うまでもありませんが、いろいろな活動について何を重点とし何を優先、させるか全体としてのバランスを取るか。この難問を解決するには、最も有効な手段こそ経営計画書です。

そして、経営計画の発表会をすると全く不思議なことですが会社の社員が大きく変わってきます。

今の日本は、終身雇用の土壌が以前より崩れたといえ、「会社は自分の人生である」と、本気で考えている社員も少なくはないのです。もっと分かりやすく言うと、社員は一生でなくとも、長く安定して待遇のよい会社に勤めたいものなのです。中小企業の社長の多くは、どんなことがあっても社員に給料を世間並以上に払いたいと思うものであり、突風的な景気の変動で、軽々しく人員削減をできず悩む社長を多くみています。

経営計画書で、お客様の要求をみたし、そのお釣りとして適正な利益を獲得し、社長が社員に対して本当に責任を果すというのはこういうことなのです。会社の長期的な存続と発展、社員の意欲づけはすべて社長の正しいワンマン経営によってのみ実現できるものです。