節税

個人ゴルフ会員権の譲渡損の危機!

今年三月の新聞報道によるとゴルフ会員権はぜいたく品と見なし、譲渡損の他の所得との相殺廃止、すなわち損益通算を認めない方向で検討に入りました。つまり個人会員権で損切りそるなら今年がチャンスかもしれません?!

譲渡損の危機!

財務省は今年2月末に、個人が保有するゴルフ場やリゾートマンションの会員権を「投資対象のぜいたく品」と見なし、売却時に生じた譲渡損を他の所得と相殺(損益通算)できないよう所得税法などを改正する方針を固めたと発表しました。個人所得課税の抜本改革に合わせ、2005年度から実施する方向で検討に入りました。

現在、個人が保有する競走馬や書画、古美術品、貴金属などは「通常の生活に不要な資産」と見なされ、売却時の損失をほかの所得と相殺できません。ただ、ゴルフ場などの会員権は、個人所得課税の損益通算に「ぜいたく品」の規定ができた1961年には投資対象でなかったため、ぜいたく品とは見なされていませんでした。

このため、ゴルフ場の会員権を売って売却価額から取得費や手数料などを差し引いて損失(赤字)が出た場合、給与など他の所得(黒字)と相殺でき、翌年に支払う個人住民税も減らすことができると言う節税効果がありました。

しかし、所得課税の強化を検討している財務省は、「会員権の実態は古美術品などと同じぜいたく品とみなせる」として、相殺を認めない方向で検討することにしました。実施が決まれば、個人が値下がりしたゴルフ会員権などを売却して「損切り」しても所得税額は減らせなくなります。

企業などの法人が保有するゴルフ会員権は売却損と利益を相殺して法人税を払うことができますが、この仕組みは変えない予定です。
(参考:2004/3/1/03:09 読売新聞より)

これに対しゴルフ場の経営者団体である社団法人・日本ゴルフ場事業協会(NGK)は、“財務省が会員権の損益通算廃止を検討”とした報道に危機感を抱いて、廃止に反対する署名運動を急遽開始しました。

ゴルフ会員権で含み損がなければ、それはそれでHappyなのですが、実際、ゴルフ会員権の多くは値下がりしています。

まだ、どうも、この記事以降は、ゴルフ会員権の損切りの駆け込み売却が増加しそうな雰囲気です。

会員権所有の社長様は今後の所得税法の改正動向に注意して下さい!

ゴルフ会員権の譲渡損の取り扱い

少し会員権の譲渡損の取り扱いを説明します。

ゴルフクラブの会員権の譲渡は原則として譲渡所得になり、確定申告が必要です。

通常の譲渡なら

預託金制ゴルフ会員権は預託金返還請求権と優先的施設利用権(プレー権)からなっています。

その預託金会員権は一般利用客よりも有利な条件で継続的に利用できるという契約上の地位です。

従って、この会員権を譲渡した場合には、資産の譲渡として総合課税の譲渡所得に該当しますので、仮に、譲渡した結果、譲渡損が生じた場合には、今の制度では他の各種所得(例えば給与所得)と損益通算できます。従って、申告により税金が還付されます。算式で示せば、

譲渡損益の計算

プレー権が消滅した後の譲渡

ゴルフ場が倒産しプレー権が消滅した場合には、預託金返還請求権という貸付債権が残ることになりますが、譲渡した結果生じた損失の金額は預託金返還請求権のみを譲渡したものであり債権の譲渡損失なので家事上の損失として所得税法上考慮されません。

再生計画等により預託金の一部が切捨てられた会員権の譲渡損

最近、ゴルフ場の経営破綻に伴いみられるケースです。

会員が従来どおりプレー権を行使できるときには、その会員権は譲渡所得の資産に該当しますのでその損失が生じた場合、他の各種所得と損益通算できます。

その会員権を譲渡したときの取得費は、預託金の一部が切捨てられたとしても、その会員権の実際の取得価額になります。