資金

社長のための 間違わない資金対策
改訂「金融検査マニュアル」スタート!

金融庁では、現在、中小企業向け融資の検査マニュアル改定を進めています。この検査マニュアルは2月中に最終決定します(原稿作成時では未発表2/22)。今年三月期分の検査からこのマニュアルを使うことになります。改訂案の段階ですが先取りして見てみましょう!

改定案の狙い

今回の金融検査マニュアル改定案は、金融検査で大企業とは違う中小企業独特の企業再生の視点などを周知徹底し、金融機関の中小企業への“貸し渋り”をなくすのが狙いです。ただ実際の運用は従来以上に融資と検査現場の判断に委ねられることになり、その実効性は未知数です。

改定案は赤字や債務超過という外形的な財務内容だけにとらわれず、経営者の資質や再建計画の中身を詳しく点検しようとしている点は、借り手企業からみれば一歩前進と言えます。しかしすぐに中小向け融資の増加に結びつく保証はありません。単に信用格付けを甘くするだけでは、不良債権隠しを助長することになりかねないとの判断があるからです。

改定案ポイントを見る

改定案(H15年12月)では金融機関が経営指導などで貸出先企業の実態をよく把握している場合は、その金融機関の貸出先の評価を検査でも尊重します。再生支援で実績をあげている金融機関には厳しい引き当てを求めない特例も設けたりします。地域や中小企業の実態に合わせ検査を弾力化するのが狙いです。金融庁は、地域金融機関(地銀・信金・第二地銀・信組)に対しては地元中小企業との密接なつながりを生かした取引を求めており、検査マニュアルもこの考え方に合わせて改定します。

ですから、中小企業の社長とすれば地域金融機関と協調しながら経営計画を推進することが一番です。「金融機関は煙たい!」と言う態度では自社が損になります。金融機関を見方につけることです。

個別の改訂(案)の重要項目を紹介します。詳しくは金融庁のホームページで見られます。

企業との意思疎通を重視

金融機関が中小企業との意思疎通を十分とっているかどうかを重視します。検査で借り手企業への説明責任や企業訪問の実施状況などを細かく検証します。

金融庁が適切と判断した場合は、貸出先企業の成長性や経営者の資質についての金融機関の判断を尊重します。金融機関が再生支援している要管理先の中小企業への引当率を、他け融資では短期融資をつないで長期間の貸し出しを続ける慣行が根付いており、企業側は融資を「事実上の資本」と考えている例も多くみられます。改定案では、金融機関が融資先企業の経営改善策として債権を資本性の高い劣後ローンに転換した場合は、これを資本とみなすことを認めました。債務を資本に振り替えることで事実上資本が上乗せされ、企業は債務超過に陥るのを回避でき、融資を継続しやすくなります。

一部債務を資本と見なす

中小企業向け融資では短期融資をつないで長期間の貸し出しを続ける慣行が根付いており、企業側は融資を「事実上の資本」と考えている例も多くみられます。改定案では、金融機関が融資先企業の経営改善策として債権を資本性の高い劣後ローンに転換した場合は、これを資本とみなすことを認めました。債務を資本に振り替えることで事実上資本が上乗せされ、企業は債務超過に陥るのを回避でき、融資を継続しやすくなります。

検査を省略する範囲を拡大

金融庁が資産内容に問題がないと判断した金融機関については、検査対象となる中小企業を減らし検査を簡略化します。現在は与信額が二千万円未満か資本の一%未満の企業は検査を省略していましたが、この金額基準を五千万円未満に緩めます。

企業のキャッシュフローを重視

金融機関による貸出先評価である「債務者区分」を決める際に、赤字や債務超過などだけで判断せずに、キャッシュフロー(事業から生み出される現金)を重視することも明確にします。

経営者の資質判定では取引実績も重視

中小企業の信用力などを評価する基準の一つの「経営者の資質」については、過去の融資返済実績や経営改善への取り組み姿勢なども考慮します。こうした措置で、外形的な基準で機械的に不良債権に区分されるのを避ける。

社長へのアドバイス

基本的は、従来の検査マニュアルと大きく変わりません。社長にとっては、マイナスの改正ではありません。

  • 社長は、明確な目標を持って経営計画をたて営業利益を出し続けることに専念します。
  • 信用格付け(債務者区分)については、地域金融機関にむしろ相談してランクアップすることが賢明です。餅は餅屋です。
  • 中小企業経営と地域金融機関の協力は不可欠です。ただ、地域金融機関と言えどもオンリーさんでは不安です。オンリーさんの場合は特に金融機関との関係を密にしておきながら、別途、新規金融機関を開拓します。

【 追伸 】

また、最近は国民生活金融公庫と地域金融機関が提携することが増えてきました。くれぐれも、政府系金融機関と民間金融機関で食い違いのある書類、コメントをしないように注意してくの要管理先に比べ下げることも容認します。