売上増の鍵:『個客点検』を実施しよう

年賀状を総点検し、個客を考えてみましょう

一生つきあうお客様のことを、どれだけ知っていますか? 年賀状の付合いは、一生ものになる

さて、新年を迎えましたが、誰でも年末に相当量の年賀状を出し、年初に受け取ります。

年始の儀礼として日本に定着した年賀状。じつはビジネスに密接に関係しています。

年賀状はビジネスより、人間関係で出すから関係ないという方もあるでしょうが、人間関係とビジネスは密接に関係していて無縁ではありません。

ここでは、年賀状をビジネスに即座に直結させようというのではなく、年賀状を通じて、お客様、『個客』を考えてみましょうというものです。

しかし結果的にビジネスに直結する新しい発見があります。

賀状の人をどこまで知っていますか? 出す賀状はDM、もらう賀状は見込客

ある地方の工務店に年明けに訪問したことがあります。もちろん社長のデスクには年賀状のヤマが積まれ、どこにでもある年頭風景です。

さて私は社長のお許しをえて、その年賀状を拝見しました。そして「社長…この方をご存知ですよね?」

私は、1枚の年賀状を取り出し、社長にその賀状の住所氏名を指差しました。社長は、非常に怪訝な顔で

「ああ、知ってますよ…」

知り合いだから、年賀状が来るのだろうが…といった雰囲気で、何を聞いてんだ…という感じでした。

続けて私は、尋ねました。

「ところで社長…この方のご自宅は築後、何年か、ご存知ですか?」

工務店の社長なら、相手の自宅の築後年数(建築後の経過年数)を知っていておかしくありません。

しかし社長の答えはありませんでした。

他の年賀状の送り主についても、ほとんど「さあ、よくわかりません…お恥ずかしい…」

と、ことの重大さに気付きテレ笑いに変わりました。

年間5〜10棟を受注する小規模な工務店に建築を依頼する人には特色があり、親戚知人友人、仕事の付合いのある人…と身近な人、身内だけです。

したがって、この身内の情報をよく知ることは非常に重要です。依頼主、見込客そのものだからです。

日本の住宅は、30〜40年ぐらいで老朽化し、建て替えます。そのため築後年数を知っていると、次の新築、増改築が、あらかたわかります。

さらに、その家族の動向とタイミングがあうと、新築、増改築の需要が派生します。子供の独立を機に老後の住宅準備での需要や、子供の結婚を機に近くに新婚用の住宅を建てたり、二世代住宅を建てたりします。

年数が経過しなくても、新築時には仮設だった塀を本格的にしたり、車庫を立派にするなどの需要は数年後によく派生します。

水まわり、つまりバス、トイレ、ドレッサー(洗面化粧台)、キッチンなどは、新築から10年以内に大規模なリフォーム需要が発生します。

したがって賀状の主の築後年数を知らない工務店は、間違いなく業績が悪化します。

年賀状の相手は身内になりやすい

自社、自分、社員の賀状の総点検

さて年賀状は、見込客の宝庫なのです。

賀状は、親族、経営者仲間や友人、取引関係、学校の先輩後輩など、大半が会ったことがある人で、話がしやすく、すぐに身内感覚になれる人たちです。この人達を放置していると、結局、ビジネスチャンスを逃します。

身内の需要が競合大手にとられてしまう!

友人が、大手住宅会社と契約し、基礎工事がはじまったことを知り、ガックリした経験のある工務店は少なくありません。

受注を『待ち』の姿勢で手をうっていない。タマに手をうっても大手の単純なマネで、チラシをうち、見学会をやるものの、コストがかかり契約に至らない…。

小規模な工務店のお客様は、先に述べたように、身内だけです。数千万円もする住宅は、信用が重要で結果的に知りあい(身内)工務店か、全国的に信用のある大手住宅会社や地場の最大手などに発注されやすいのです。

これを無視し、知人、身内へのコミュニケーションを忘れると、知人も大手の営業攻勢にあっているうちに、知人に工務店がいたことを忘れたりするのです。

小規模な工務店は、いま、こうしてさらに売上を落としています。1件の失注は数千万円!

これは厳しい話ですね。

全業種でいえること

飲食店や美容室、理容室の常連客が、バッタリ来なくなることも多々あります。この場合、ほとんど競合他店の常連になっています。

接客ミスなどで対応ができなかったり、お客様の気が変わったりして、競合に行くことがありますが、一度、馴染んだお客様は、身内同然です。

特別サービスの告知をDMや電話ですれば、その店に戻ってくる確率が高いのですが、飲食店などは、ほとんどしない。それ以前に、お客様の住所氏名すら知らないことも大半です。しかしお客様から名刺をもらい、賀状や暑中見舞いを出すと、お客様からも賀状が来るようになることも多く、こうなると身内そのものです。

大半の飲食店が売上を落としていますが、こうした飲食店でもメニュー改編などをきっかけに、持っている名刺や友人知人など、身内に『半額サービス』などの告知をして、回転率の低かった状態から、80%も増販に結びつけた飲食店もあります。

アンケートでお客様の住所氏名をこまめに把握したり、名刺交換したりしてお客様(個客=個々の顧客)の名簿を整理し、ときに1000円サービスや、半額サービスをすると、お客様は、けっこう来店します。

これが賀状の交換もある場合は、なおさらです。

ことに夜の場合は友人を連れてくるため、新規顧客が増えてゆきます。このように個客管理をして、おりおりのコミュニケーションをとると、売上は増えることがあっても減ることはありません。

露骨なDM方式は、賀状では控えよう

賀状を、ビジネスに直結させたいと露骨なDMにすると逆効果になる場合もありますが、適度なご挨拶はDM以上に効果を発揮します。

まずは、出す賀状、来る賀状を総点検しましょう。

賀状は身内感覚の人達から来ます。この人達は、なにかあるときに、まっさきにかけつけてくれる人達です。SOHOの人達や、起業独立を考える人達にも身内の人達が、真っ先に助けてくれたり、お客様を紹介してくれたりしてくれます。この人達を無視してビジネスはありえません。

その原点が賀状です。一度点検してみましょう。