資金

融資説明義務と金融機関対応の秘訣!

今月は金融機関の舞台裏の説明です。社長の皆様、金融機関の「融資説明義務」の内容を知り、日頃の経営に生かして下さい。

契約書をくれない融資

社長の皆様はこんな経験ありませんか。

  • 借入時に印紙は借主が負担し、契約書を銀行が持っていき、契約書の写しをくれない。
  • 銀行が金利の上昇の話を持ってきたが十分な説明がない。

実際、私がよく社長から聞く話です。 しかし、今、金融機関の舞台裏は大きく変わりました。各金融機関には「融資説明義務」と言う金融庁の指導が大きく働いています。

今月は、金融機関の融資説明義務をお話した上で、融資を受ける場合に社長が心がけるべき留意点を説明していきます。

金融機関の舞台裏

金融庁は昨年7月に金融機関の貸し出しや保証契約について顧客に説明する体制の整備を促すため、監督上の指針となる「事務ガイドライン」を改正しました。

融資に伴う個人保証などの契約をする際、最悪の事態まで想定して損失の見込み額や保証債務の肩代わりの恐れなどを借主に明らかにしておくよう要請しています。

金融庁が説明不足で問題を認めたときには業務改善命令などの行政処分になります。

金融機関の「事務ガイドライン」が見直しになった背景には、主に銀行の中小企業向けの貸し出しを巡り「個人保証の負担が大きすぎる」「契約内容が分かりにくい」といった声が出ていることがあります。このため金融庁は、各金融機関に顧客の相談や苦情処理に応じる窓口や社内の連絡体制を整えるとともに、研修の充実を促しています。そして各金融機関に貸出の契約では商品の内容やリスクを具体的に例示し、顧客に書面を交付して分かりやすく説明するよう求めています。

さらに金融庁は顧客への説明に関する事務について、金融機関の内部管理体制を監視し問題があればまず報告を求め、必要な行政処分をします。

具体的な説明義務

「事務ガイドライン」の内容を具体的に言えば金融機関には、次のような説明義務があります。

契約時点での説明責任

  1. 融資商品の内容、融資取引の基本要件並びにリスクの説明
    • 個人保証契約については最悪のシナリオ(実際に保証債務を履行する事態等)の説明をする
    • 第三者との包括的根保証契約は、保証人の要請があれば、借入残高等の情報を提供する
  2. 契約締結の客観的・合理的理由の説明
    • 貸付条件、担保極度額、第三者包括的根保証・経営者の包括根保証等について、借主から求められれば、事後の紛争などを未然に借主の理解と納得を得ることを目的とした説明をする。
  3. 契約の意思確認→面前自署・押印が行われているか。
  4. 契約時の書面交付→契約書等の写しの交付を行っているか。
                  

取引関係等を見直す場合の説明

  1. 金利の見直し、返済条件の変更、追加担保設定・解除等の場合
    顧客の理解と納得を得ることを目的とした論理的・合理的理由の説明を行うこと。→だから「本部から指示で…」「検査マニュアルによって……」といったような抽象的なものでは適切な説明とは言えません。
  2. 顧客の融資支援要請を謝絶し、融資契約に至らない場合
    これまでの取引関係や実績、顧客の知識、経験及び財産の状況に応じ可能な範囲で謝絶の理由等を説明すること。
  3. 延滞債権の回収(担保処分及び個人保証の履行請求も含む)
    債権譲渡、企業再生手続きの場合、前述2.と同様状況に応じ、一連の各種手続き(法的整理、私的整理)及び保証人の個人再生手続を段階的かつ適切な執行を行うとともに、顧客の求めに応じ、客観的・合理的理由を説明すること。etc

社長の対応ノウハウ

金融機関の説明責任とは関係なく、社長として大切なことは、まず誤解のないよう金融機関との意思疎通をしっかり持つことが必要です。借主と言うことで卑屈になってはいけませんし、こちらが利息を払う客だと言うことで金通機関に対して横柄な態度を取ることも会社のTOPの態度としては感心できません。言うべき事は言い、融資に関する内容とリスクを正しく理解することが必要です。

具体的に社長として必要なことは

  • 特に契約書は「自分の会社の利益を守るものであることを認識し、控えは必ず取ること」。
  • 借入の条件は自分でしっかりと理解する。分からないことは、恥ずかしがらずに聞く。知ったかぶりをしない。
  • 取引条件については、自分の考えをしっかり述べる。例えば、金利は実質金利で交渉する。
  • 保証人には、必ず保証の意味を説明すること。法律に関係なく社長は保証人に迷惑をかけてはいけません。
  • 一番大切なことは金融機関と良識ある意思疎通があることです。これが自社、金融機関双方の繁栄の条件です。