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中小企業のための格付けアップ作戦の秘訣!

格付けの仕組み

中小企業の格付けは、平成11年4月金融庁から発表された金融検査マニュアル本編と、平成14年6月に公表された金融検査マニュアル別冊によっています。

ここでは企業の格付けを5段階で評価しています。評価の高い順から、A正常先→B要注意先(B’要管理先)→C破綻懸念先→D実質破綻先→E破綻先です。2002年3月期の金融庁の資料によると、金融機関の全貸出金622兆円の内、正常先は78%、要注意先は16%(要管理先3%)、それ以下は6%となっています。

さて、格付けのやり方は、金融検査マニュアルではガイドラインしか示されていませんが、大まかに言うと、第一番に決算書などの定量的評価(◎)が中心で、第二に経営者能力の定性的評価となっています。

赤字会社の銀行対応法

金融検査マニュアルの「赤字」には、その原因や背景によって3つの種類があります。

【 恒常的な赤字 】

2年から3年続けて、営業利益が赤字の場合、多くは恒常的な赤字と判断されます。正常先からの格下げの原因となります。

【 一過性の赤字 】

一過性の赤字は、営業利益は出ているが、不要となった設備の売却損など特別な損失によって発生した一時的な赤字です。格下げにはなりません。

【 創業赤字 】

創業赤字として問題ない赤字とみることができる赤字は、創業に際しての事業計画と大幅な乖離がない場合です。

通常、会社では、金融機関が「恒常的な赤字」と判断するか「一過性の赤字」と判断するかで、その後の銀行の対応が大きく変わってきます。「恒常的な赤字」なら貴方の会社は正常先から要注意先以下に格下げとなります。

ですから「一過性の赤字」と説明するために、今期の見込みも含めて、次年度以降の経営計画をしっかりと金融機関に説明することが必要です。

要注意先の銀行対応法

それでは赤字の判断で、「一過性の赤字」ではなく「恒常的な赤字」と銀行に判断され、要注意先以下に格付け評価されてしまった場合はどのようにした良いのでしょうか。

金融機関が、貴方の会社を「業績が低調、あるいは不安定」である。または、「財務内容に問題がある」などの理由で、要注意先と認定したら、貴方は金融機関に対して、会社の将来についての説明を明確な形でしなくては正常先に復活しません。

具体的には、中期経営計画を作成し総合的な形で正常先と認めてもらうための説明をすることが必要となります。

この場合、経営計画の期間は、3年〜5年程度みます。そして、その中期計画の中で、以下の5点について明確に説明することが必要です。

  • 「安定して営業利益がでること」
  • 「借入金の返済がどこまで進むか」
  • 「黒字転換は計画第○期に実現する」
  • 「債務超過は計画第○期に解消する」
  • 「繰越欠損金は計画第○期に解消する」

格付けアップアップの本質は、本業の利益である営業利益を、継続して、経営計画通り出すことです。

色々と格付けアップのノウハウ本がありますが、最終的には本業の利益である営業利益を継続して出すことが、一番の格付けアップです。

  • その他の経営計画作成上のノウハウ
  • 計画書の説明では、当然、経営者は熱意を示す
  • 会社の将来像を明確に説明する
  • 受注に関する説明では、可能な限り、受注の別添資料を添える。もっと分かりやすく言うと、できるだけ入金の根拠を示して説明する。
  • 金融機関にお願いするだけではなく、役員報酬のカット、人件費の削減など自らリストラ努力を行う
  • 遊休資産の資産圧縮計画では、計画書で売却の方向性を示しても、売却数値自体は売上計画に入れない方が良い場合があります。実現可能性を慎重に判断します。
  • 借入金の返済計画は詳細に計画書に明示します。例えば、テイルヘビーの借入金は、返済期限到来後の新たな返済計画を明確します。
  • 銀行間のバランスを考える
  • 政府系の金融機関や保証協会付きの借入については、長くても10年以内に返済するように計画書を作ります。

要は、経営者は経営計画書を用いて、熱意を持って、今後会社が営業利益を安定してあげて、返済が安定して進むことを説明するのです。

【 追伸 】

筆者は、経営計画書は、格付けアップのためだけではなく、事業発展の魔法の書である場面を多くみています。