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12ヶ月企業ダントツ化プログラム11:不思議な増益法「環境整備」の秘訣!

第20号2003年11月

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税務調査対応の秘訣 3:税務署が会社に来る!
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12ヶ月企業ダントツ化プログラム11:不思議な増益法「環境整備」の秘訣!
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強力なツール『お電話作戦』3

私には儲けている企業の特徴として、なかなか理屈で説明できないこと事があると感じます。例えば、優良企業の社長は、ご先祖様を大切にする。 運がいい。会社は環境整備に優れている。等があります。今回は、このうち特に増益のために不可欠な環境整備のお話しをします。

環境整備の不思議な経営メリット

今日登場の環境整備とは具体的には5Sを指します。5Sというのは「整理、整頓、清掃、清潔、躾」を言い、全て専門用語です。利益を生み出す不思議な施策です。

5Sは日本特有のもので昭和30年代に製造業から起こったものと言われています。工場で、異物混入が発生したり、ポカミスが続き、改善策として5Sが誕生しました。

5Sは単なる職場の美化運動ではありません。環境整備を続けることによって不思議な事が会社に次々と起こり始めます。5Sはメーカーではおなじみでしょう。しかし、5Sになじみのない小売業やサービス業の社長であれば、「清潔な店作りと社員の躾」、事務関係であれば「清潔な職場とファイリング」をイメージして下さい。では、環境整備の経営メリットです!

1 会社の管理レベルが向上する

環境整備を実施すると、会社の管理レベルが必ず向上します。だから、工場であれば三種の神器である「品質・コスト・納期」が向上します。組織で動く場合の管理の基礎が5Sで実現していきます。環境整備を行うと、管理がしっかりとして作業の無駄がなくなります。具体的には、

  • 品質面では5Sの実行で、ごちゃごちゃした現場が、理路整然とするので、材料間違いのムダが減り、異物混入が少なくなります。
  • コスト面では、工具を探すにも無駄な動作が少なくなり、人件費が効率化します。 過剰在庫もなくなります。その他ホントに数多くの無駄取りができます。
  • 納期面では、現品管理の徹底や、情報整理による指示の明確化で納期管理の精度が向上します。
  • 加えて安全面。建設業や製造業では安全の確保に役立ちます。 通路の確保による安全、表示の徹底による安全、躾の徹底による安全作業等がされるからです。

2 社員の品格・モラルの向上

環境整備を実行すると、社員のモラルが向上します。躾による時間管理、挨拶、勤務態度、服装、言葉づかい等など、色々と社員が良い方に変わってきます。ホントです!

私の経験では、唯一の社員教育の方法が「経営計画書の繰り返し徹底」と「環境整備」にあると感じています。

3 会社の品格が向上し、お客様の信用が得られる

上記のような5Sの効果が現れてくると、不良品や納期に遅れるというミスがなくなってきます。社員の挨拶、態度が向上します。その結果、5Sを実践する社員は上司や取引先から信頼され、それがひいては会社全体の信用アップへとつながります。その結果、新規の受注先が生まれたり、既存顧客から追加の受注がきます。不思議なことが起こり始めます。

このように環境整備の実行が会社増益の基礎を築いていきます。

5Sのメリット

5Sとは何か

それでは、遅れましたが魔法の5Sの内容を説明しましょう。5Sというのは「整理、整頓、清掃、清潔、躾」を言い、全て専門用語です。基本は、整理、整頓、清掃の3Sです。工場を想定して説明しますが本質は卸・小売・サービス業どれも共通です。

それでは定義をみてみましましょう。

整理

  • 必要な物と不要な物を分け、不要な物を捨てること。
  • 整理では、まず「捨てる基準」を決めます。
  • 例えば、「今後1カ月以内に使うかどうか」を基準に、要るものと要らないものを分けます。 要らないのは、別の場所に移してしまいます。そして廃棄するかどうかを社長が決めます。
  • また、よく整理で行う作戦に「赤札作戦」があります。赤い目立つB5位の紙を赤札と称し、社長以下関係者が1ケ月以内に使わない製品、工具、備品等、人以外のモノには何でも貼ってしましいます。そうすると、要るモノと要らないモノがビジュアルにわかります。要らないモノは赤札が貼られ「赤札置き場」に移動です。
  • こうして整理で、例えば過剰在庫など「会社の無駄」が浮き彫りにされます。

整頓

  • 必要な物がすぐに取り出せるように置き場所、
    置き方を決め、表示を確実に行う
  • 赤札作戦を実施して工場内が要るモノだけになり、スッキリしたら、次は要るモノの置き場所をきちんと決め表示します。 これを看板作戦といいます。 置き場所が決まれば、これは工場の厳格な法律であり、必ず守ります。
  • 置き場所は、動線や作業効率を考えて決めます。 整頓活動を徹底すると、工場の全ての置き場所や働きが目で見てわかるようになります。

清掃

  • 常に清掃をしてキレイな状態にすること
  • 整理整頓で工場がすっきりしました。しかしまだ、工場には油や段ボール、汚れが残っています。 これをキレイな状態にするのが清掃です。小売業で言う「クリンリネス」です。
  • 清掃のコツは大きく2つあります。1つは、一度工場内の清掃をまず徹底的にやってしまいます。 ヨゴレの発生源までキレイにすます。
  • そして、大掃除の後は、毎日、継続して例えば「帰りの前20分間、 ○○室を清掃」と言うように、清掃の時間と場所を決めて毎日実行していきます(帰りの一拭き運動)。 このように、忙しいと言わせないルール作りが必要です。清掃を大掃除で終わらせないルール作りが必要です。 その清掃は当然、就業時間内でやります。

清潔

  • 整理・整頓・清掃の3Sを維持すること
  • 整理、整頓、清掃の3Sを実行しました。捨てる基準(整理)、モノの置き場所(整頓)、 清掃の基準が決まっています。これが継続して守られて実行することが「清潔」です。
  • そのために5Sパトロール隊が巡回し、チームごとに点数をつけて5Sの実行を競います。

  • 決められたことを、いつも正しく守る習慣づけをすること。
    心のこもった4Sを行うこと。
  • 「躾」はもともと「身を美しくする」ということ。 躾は4Sプラス心(躾)の部分に当たります。
  • 会社からすると「会社が求める躾のルールを明確にする必要があります。 躾の項目として「挨拶、服装、安全、品質、作業ルール、衛生、休憩、出退勤、健康等」があります。

5Sの定義

5Sの体系

5Sの進め方

5Sはトップが先頭に立ち実践します。5S実行委員会を作り、キックオフを行います。始めに5S実施前に重要な場所をカメラで定点撮影しておきます。そして赤札作戦、大掃除と進めていきます。

進め方としては、チーム制とする方が、効果が高まります。5Sの評価基準を作り、定期的に相互巡回します。そのときは、5S実施後の定点撮影を行います。また、お客様専用の通路を作り、意識的に外部の方に見学してもらうと言うことも効果があります。

私は、以前、「お客様訪問と現場巡回」だけを繰り返し業績を上げている建設業の社長をみて5Sの重要性を肌で感じました。スーパーのイトーヨーカー堂でアルバイトした時も言葉こそヨーカ堂用語を使っていましたが、清潔な店作りを徹底して心がけていました。

組織で動く会社の場合には、5Sの徹底が管理の基本にあります。そういえば、世界中の軍隊で一番重要視されていることは、環境整備だという話を聞いた事があります。

社長の姿勢を正し、社員に無駄なく働いてもらうために5Sが必要です。5Sの実施により、社内の管理レベルが向上し、お客様に対するサービスレベルが向上します。5Sは会社にお客様の信頼性を増す不思議な力を生み出して行きます。

くどいようですが、会社増益のための基礎作りには環境整備(=5S)は不可欠です。ホントです!