増販

強力なツール『お電話作戦』3

強力なツール『お電話作戦』3:
電話できる店や会社に不況はない

31号、33号で、電話は増販増客のための強力な武器になる話をしました。

ことに小企業や商店が生きのびるには、非常に便利で手軽な方法です。もちろん片っ端から電話をかけるような方法では、ひんしゅくをかいますが、お客様の役立つ話やタイミングを見計らっての電話であれば、まったく問題はありません。

こんなお手軽な道具が、あまり積極的に利用されていないのは、ちょっと寂しいですね。

さて前回、ある家電店のお話をしました。

シャッターを閉めてしまって、訪問サービス専門に業態を変えて増販増客を果たしているお店のお話でした。

ちろん単純に閉めるだけではなく、パンフ(DM)配布、電話作戦(DM+電話)、積極訪問(DM+電話+訪問)という段階的な流れ(プロセス)を踏み、確実にお客様に気に入ってもらう段取りになっています。

シャッターを閉めればいいというわけではありません。 堂々と店を開けている家電店にも、成功事例はたくさんあります。

ようは、増販増客へのプロセスを踏み、そのなかで電話は非常に効果的な要素だということです。

飲食店や、生活雑貨のように日々の買い回り商品ではなく、ちょっと価格が高い、シーズンごとに買うファッション系の商品や、インテリア家具や家電のように何年に1回、というサイクルでの購入特性のある商品は、ロードサイドの安売店に負けてしまう状況がありますが、それでも小商圏、小さな商圏で頑張っている、成功しているお店の特色は、

  1. 1 個客(顧客)管理ができている
  2. 2 折々のお知らせをしている
  3. 3 電話などによる積極作戦がある
  4. 4 訪問、接客がよくできている

この4点です。

最初の個客管理は、市場の、個客の掌握です。

しかし、残りの3点は、すべてコミュニケーションに関連する話ですね。

金融危機のさなかに、最高の売上!
「不況で売れない…」は、大ウソ

前葉のように、個客管理をしっかりやって、お客様とのコミュニケーションをきっちりする店にとって、不況というものは関係ありません。

売上が上らないことに「不況だから…」「こんな時期だから…」と不況のせいにする人は非常に多いですね。

前回、家電店の話をしましたが、どれほど不況が関係ないか、家電店で劇的なケースを話しましょう。

1998年9月に山形で、メーカー主導でしたが家電店、20店近くが集り、『一斉訪販』を実施し、驚異的な照明器具販売を達成したのです。

ところが、この1998年9月は、日本経済がたいへんな事態を迎えていたのです。

その前年(97年)の秋、三洋証券、北海道拓殖銀行、山一証券が、相次いで破綻し、未曾有の金融危機が訪れました。バブル崩壊後の不況も、ここまできたのか……都市銀行まで潰れる!……という金融不安は戦後の混乱期を除けば、はじめての出来事でした。

日本中が、まさに大混乱しました。

この結果、構造改革が旗印だった橋本内閣も破綻し、小渕内閣に変わり、構造改革から景気回復路線に変わり、公共投資も増やし、前倒しにし、金融機関にもジャブジャブと資金をつぎ込み、政府は「もう金融危機は起こらない」と、断言していた、その矢先に、日債銀、長銀、その子会社の日本リースの破綻が表面化した……これが、まさに1998年の9月だったのです。

新聞、テレビ、雑誌は、一斉に政府批判を展開、金融不安どころか、金融危機、いや金融恐慌という話も続々と飛び交い、危機がヒタヒタと押し寄せている感覚を、かなりの人達が感じていた時期でした。

金融危機寸前のさなかに、一斉訪販を実施

経営者も商店主も、売上をあげるどころか、銀行預金は大丈夫か……日本はどうなるのかといった不安にさいなまれていた時期でした。

こんなときに「さあ、皆さん、一斉に各戸訪問をして、売上を上げましょう……」というスケジュールを組んでいたものですから、家電メーカーの責任者も頭をかかえ、参加各店からも「いくらなんでも時期が悪すぎる…」との声も上がり、実際、スケジュールの変更も検討したりもしていました。

しかし決行したのです。

結果はなんと、参加店全員で獲得した成約は、1日で1,111台、1週間では、1,700台という、驚異的なものでした。

金融危機のさなかでも、これだけの売上を獲得できる! 参加各店はもちろん、家電メーカーも予想もしていなかった数字でした。

不況のなか、3〜4万円の照明器具が、続々売れ、しかも2台、3台と購入してもらったケースも多く、100セット以上販売した家電店もあったのです。

+電話(プラス電話)の威力は抜群!
年間3台の実績が翌年は1週間で100台!

この100セット以上販売した家電店が、前年はいくら売っていたのか……をお話ししましょう。

なんと、年間3、4セット程度しか売っていなかったのです。

年間3、4セットの家電店が、一斉訪販をした結果、なんと、わずか1週間で100セット以上の販売を達成したのです。

店を開けて待っているだけだと年間3、4セット。お客様のところに出かけると、1週間で100セット!

この大きな落差をしっかり理解する必要があるでしょう。しかも金融危機寸前の時期を考えると、いかに不況のせいにすることが無意味かわかるでしょう。

家具や寝具、ガス器具、住宅設備機器(システムキッチンやシステムバスなど水まわり商品関連)、家電品、住宅部材、建材、セキュリティ関連商品(防災機器など)、などは、お客様が気づかないまま、古いものが利用されていて、場合によっては安全上問題があるものも多いのです。

ところがお客様がそのことに気づかない。気づかないと、お客様がお店に来て、買うことは決してありません。

これが毎日、確実に必要な食品や日用品、雑貨を扱う店との決定的に違う点なのです。

したがって、こちらからコミュニケーションをとって、明確に指摘するなかで、販売促進する必要があります。

家電店が、年に3、4セットしか売っていなかった照明器具が、わずか1週間で100セットも売れた……この背景は、まさに、お客様の気づかない、古くなった器具を、安全で、しかも省エネのものに、かつ従来品よりも明るい照明器具に換えるわけですから、お客様にも問題はありません。

地域に密着した家電店が、その地域のお宅に訪問するわけですから、よくある押し売りの訪問とは、まったく比較にならないものです。

さて前葉に示した4つのなかで、最初の個客管理は、家電店の場合、地域密着で配達や故障対応のサービスなど、よくご家庭を訪問しています。ここで細かい対応のできる店は、結果的にも個客管理ができています。

またメーカー指導でパソコンによる個客管理を実施しているところもあります。

この照明器具販売のケースは、家電店がお客様のデータを明確に把握し、新築後、かなりの年数がたっており、非常に古い照明器具がそのまま使われている。その実態をよく理解していて、そのお客様に対して、日頃のお付き合いのなかで、連絡したのです。

パソコンで個客管理していてもDMを出しているだけでは、お客の反応はわずかです。

そこで訪問を前提に、電話をかけ、訪問日程を決めてゆきます。日頃お付合いのある家電店の方から電話で丁寧なコミュニケーションがあった場合、お客様もそうそう、むげに断ったりしません。

こうして次々と訪問日程が決まってゆき、いままでの古い器具と比べて非常にいいものだったために、次々と成約が決まっていったのです。

不況はまったく無関係です。金融危機寸前でも商品は圧倒的に売れることを、ぜひご理解下さい。

次回は、この『一斉訪販』を、もう少し詳しくお話することにしましょう。